木下和重/ Kazushige Kinoshita



1970年、神戸に生まれる。1974年よりヴァイオリンの技術習得を開始。高校時代に即興演奏や現代音楽と出会い、独自の音楽を追求することを決心する。兵庫教育大学にて音楽教育および音楽美学を学んだ後、恩師の母校である関西学院大学大学院文学研究科美学博士課程を単位取得退学。

1995年、内橋和久氏主宰の即興演奏のワークショップ『NEW MUSIC ACTION』に参加、以後対外的な音楽活動を開始。2000年、活動の場を東京へ移す。

木下のヴァイオリン奏法は座位姿勢で膝の上に置かれたヴァイオリン本体を、子供用の短い弓を用いて弾くというもの。それは原初的な圧力や摩擦などといった身体行為と楽器との対話によって発せられる現象としての音を、時間上へ布置させるという特徴を有する。

2003年、一楽儀光、宇波拓らと共にフランス/スイスにてツアーを開催。

2007年より、分節化された時間の集合体としての時間構造を認識することで、個人の時間意識が鑑賞者独自の経験へと昇華されることを目的とした「SEGMENTS
セグメンツ」を提唱。佐々木敦氏の著作『「4分33秒」論』において、ジョン・ケージ作『4分33秒』以降の実践の一つとして紹介される。

2007~2011年、音が音楽として聴かれる原理的基盤に立ち返る作曲グループ『com+position』を江崎將史、竹内光輝と結成、各自の作曲作品の演奏会を開催。

2011年に鈴木學/坂本拓也/古池寿浩らと複合メディアを用いたパフォーマンスグループ『GENESis ジェネシズ』(のちにSEGMENTS
GENESisに改名)を結成、公演回数は31回にも及ぶ。2017年11月、韓国ソウルで開催されるフェスティバル『dotolimpic』に参加。また、そのフェスティバルの母体となったスペース”dotolim”にて2019年9月にSEGMENTS
GENESis公演を開催。

SEGMENTSでの活動は作品制作や上演に留まらず、そのコンセプトをよりダイレクトな関係性でコミュニケーションできるワークショップ活動も各地で行なっており、2015年からは武蔵野美術大学の授業にて毎年行う。現在はコロナ禍でのオンラインワークショップを計画中。

細馬宏通率いる歌謡曲バンド、かえる目ではヴァイオリンを担当するも、たまに歌を披露する。


[blog]
http://kinok.seesaa.net

[facebook]
https://www.facebook.com/kazushige.kinoshita/

[SEGMENTS ワークショップ]
http://segments.info

[かえる目]
http://12kai.com/kaerumoku/
https://kaerumoku.bandcamp.com
https://open.spotify.com/artist/4MhGs3NFDWmJVNA3nQCKUU?si=Nvio2oliQvWcQWAFXtYqJA



[T/M以外でのCDリリース抜粋]

『Cymbal Violin Lapsteel』Yoshimitsu Ichiraku/Taku Unami/Kaushige
Kinoshita, hibari music 2002

『EKE』EKE:Yoichiro Shin/Kazushige Kinoshita, hibari music 2003

『Vasistas』Bertrand Denzler/Jean-Luc Guionnet/Taku Unami/Kazushige
Kinoshita, Creative Sources Recordings 2004

『Kenon』Mazahiko Okura/Masafumi Ezaki/Kazushige Kinoshita, Creative
Sources Recordings 2004

『quartet』Nikos Veliotis/Taku Sugimoto/Taku Unami/Kazushige KInoshita,
hibari music 2004

『segments』Kazushige Kinoshita, slubmusic, SMCD 12, 2007

『59:01.68』Seijiro Murayama/Kazushige KInoshita, ftarri 2012

『10tet』Tetuzi Akiyama/ Nikos Veliotis/Taku Unami/Taku Sugimoto/Klaus
Filip/Masahiko Okura/Radu Malfatti/Toshihiro Koike/Kazushige
Kinoshita/Moé Kamura*, confront 2016